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鉄骨構造(てっこつこうぞう)

カテゴリ:不動産用語集
鉄骨構造(てっこつこうぞう)
 建築物の躯体に鉄製や鋼製の部材を用いる建築の構造のこと。鉄骨造、S造、S構造とも呼ばれる(Sはsteelの略)。

【鋼材の種類】
[厚さによる分類]
●重量鉄骨
厚さが6mm以上の鋼材
製鋼所で熱間圧延加工により製造される。主としてラーメン構造、トラス構造に用いられる。

●軽量鉄骨
厚さが6mm未満の鋼材
重量鉄骨と同様に熱間圧延加工により製造される場合もあるが、多くは鋼板を冷間圧延加工して製造される。主としてブレース構造に利用される。

【特徴】
[長所]
●木材に比べ強度が高く、鉄筋コンクリートに比べ単位重量が軽いことから長い梁に利用でき、柱のスパンが広く、柱の本数も少なくてすむ。
●ラーメン構造の場合は耐力壁が不要なので間取りの自由度が高く、リフォームも容易である。ただし、H形鋼の柱は弱軸方向に筋違いを配置する必要がある。
●重量鉄骨ラーメン構造では鉄骨は工場生産され、現地では組立作業のみとなるので、現場接合部の管理をするだけで建物の構造的品質を一定に保ちやすい。
●トラス構造の場合、構造的な安定度が極めて高いので、体育館の屋根や鉄橋など、他の構造では不可能な長大スパンを実現できる。
●材質が均一である。
●工期が短い。
●建物を解体する場合、鉄が有価物であるため、解体コスト削減を期待できる。

[短所]
●構造材が不燃物なので火事に強いと誤解されるが、鉄骨は摂氏550℃程度で急激に強度が失われるので、消火に手間取ると一気に建物が倒壊する危険性を持っている。木造は火事に弱いと考えられているが、火で焼かれても柱の表面が炭化するのみで内部まで完全に燃えるには長時間かかるので、短時間に建物全体が崩壊するというケースは少ない。このため鋼材には耐火被覆を施すのが一般的である。ただし火災保険料は鉄骨の方が安いため、統計上は木造住宅は火災の危険性が高いと考えられる。
●材料強度は高いため、コンクリートや木質材料と比較すると断面を小さく出来るが、座屈という現象が無視できなくなる。
●水分に触れると錆びやすいため、外部や水周りに用いる場合は、防錆処理を施すのが一般的である。
●木造に比べ約350倍断熱性が低いため、外壁を厚くする外断熱工法が良いとされる。
●構造材は強いが、工法は木造軸組み工法と同じであるため、地震に対する揺れに弱い。
 
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